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鼻炎・花粉症にお悩みの人へ、今すぐ試せる「鼻うがい」をやってみた

近年、花粉症や鼻炎持ちの人がずいぶん増えました。くしゃみが止まらずに、マスクが手放せない方も多いのではないでしょうか。この花粉症やアレルギー性鼻炎といったアレルギーに関する基本的な知識と、症状軽減のために手軽に取り入れられる工夫についてご紹介します。

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アレルギーとアレルゲン

まずアレルギーとは、アレルギーの原因物質であるアレルゲンに対して免疫機構が過敏に反応し、生体に対して全身的または局所的に過剰な障害(炎症、刺激など)が起こる状態を指します。また免疫とは、体を守るための防御反応のひとつです。大事な体の機能ですが、過敏に反応することでいろいろな症状が発現します。アレルゲンによって引き起こされる鼻水やくしゃみなどの症状を総称してアレルギー性鼻炎といい、花粉が原因で起こるアレルギー反応(鼻炎症状や目のかゆみなど)を花粉症と呼びます。

たくさんあるアレルゲンの中でも、花粉症や鼻炎のアレルゲンは、吸入(空中)アレルゲンに分類されます。東京都のアンケート調査*1でわかった住宅内のアレルゲンは以下の通りです

1.花粉:71.4%

2.ハウスダスト:37.9%

3.ダニ:15.2%

4.食物:11.8%

5.ペット:10.4%

6.カビ:7.3%

 

家庭でできるちょっとした花粉・鼻炎対策

アレルギーの原因の約7割がスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉です。まずはこれらのアレルゲンを室内に持ち込まないために、家の外で上着を脱ぎ、埃などを落として室内に入ることがよいでしょう。ハウスダストは布団やカーペットに潜んでいるので、布団はこまめに日干ししましょう。また特に床にカーペットなどを使用している方は、外してみるだけで埃の堪り具合が一目瞭然なので、フローリングで過ごすこともおすすめです。

なお食物については、鼻炎症状だけでなく、程度によっては生命の危機にもつながる重大なアレルギー症状を引き起こすこともあります。アレルギー症状がある人は、一度検査を受けてみることも有効でしょう。

ただしこうした対策を取っても、どうしても鼻炎症状が治まらない人もいるかと思います。かくいう私もアレルギー性鼻炎の持ち主であり、鼻水やムズムズが止まらない時にお勧めとの記事*2 を見て、鼻うがいを自ら試してみることにしました。

 

鼻がツンとしない鼻うがいを試してみた

アレルギー性鼻炎持ちにもかかわらず、耳鼻咽喉科を受診したことがない私は、鼻うがいは未知の世界です。本当にツンとしないのかと恐る恐る試してみました。

【鼻がツーンとしない鼻うがいのやり方】

①1リットルのぬるま湯に食塩9グラム(小さじ1.5杯)を入れて洗浄液(0.9%食塩水)をつくり、ドレッシングボトルに入れる

②下を向き、片方の鼻を押さえ、もう片方の鼻から洗浄液を入れる。「えー」と声を出しながら洗浄液を口から出す

③反対の鼻でも同じ事をする。これを3~5回繰り返した後に、鼻をかむ 

 

鼻がツンとしない鼻うがいのポイントは「体液と同じ洗浄液を作ること」とのこと。0.9%食塩水は体液の浸透圧に近く、鼻がツンとしにくくなるので、しっかり水と塩を計って0.9%食塩水を作ります。また人肌程度のぬるま湯という温度も、ツンとしないための大事なポイントです。

鼻うがいの最初の1回目は、入れた方の鼻から食塩水がそのまま漏れてくるのみでした。しかし、そうです!鼻の奥に水が入っているものの、ツンとしません。これならばできるかもしれないと3回4回と繰り返し入れてみて、ようやく少し口から食塩水が出てきました。どうやら鼻うがいに慣れるまで、何度も繰り返し試してみる必要がありそうです。私は上手に口から出しきれなかったのですが、それでも思っていた鼻のツンとした痛みを感じることもなく、鼻水が大量に出たおかげで、鼻の中はずいぶんすっきりした感覚になりました。

 

やってみてわかった、事前準備と注意点 

実際に試してみてわかったこともたくさんありました。鼻うがいを実践する前に準備しておくと良いポイントや注意点はこちら。

  • ドレッシングボトルを準備しておく(100円ショップで手に入ります)。
  • 水と塩はしっかり計量して食塩水を作成する。
  • 手元にティッシュを用意しておく。
  • 足元は濡れてもよいお風呂場で行うか、バスマットを敷いておく。
  • 洋服が濡れないように胸元にタオルを用意しておく。
  • 洗浄液は声を出しながら入れて、口から出すこと。

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0.9%の濃度にすることが鼻がツンとしないポイントなので、しっかり計量して食塩水を作りましょう。また鼻と口から食塩水が流れ出てくるので、顔がしっかり濡れますし、鼻水もしっかり出てきます。顔周りがすぐに拭えるようにしておくことと、周囲にも飛び散っても差し支えないようにあらかじめ準備しておきましょう。

水を飲み込んだり逆流することで、中耳炎を起こすこともあります。洗浄液を入れる際には、しっかり声を出すことも大事なポイントです。またどうしてもドレッシングボトルでのやり方になれない場合は、今は「鼻うがい器」が市販されているので、試されてみるのも一つかもしれません。

 

まとめ

辛い花粉症や鼻炎症状に対していろいろな対策がありますが、まずは自分自身のちょっとした行動や生活習慣で、症状が軽減できる工夫を取り入れてみましょう。また興味を持った方は一度鼻うがいも試してみてはいかがでしょうか。ただし症状がひどいときには無理をせず、耳鼻咽喉科などの医療機関を受診するようにしましょう。




■参考文献・参考URL

*1:東京都のアンケート調査:東京都保健福祉保健局 平成28年度アンケート調査

*2:北林晃治,"専門医に聞く!家庭でできる花粉症、鼻炎対策" 朝日新聞デジタル,2018/3/8, http://www.asahi.com/apital/articles/SDI201702229711.html