健康情報サイト

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呼吸器の硬直が原因?慢性疲労を回復する方法

普段、みなさんはどのくらい「呼吸」を意識されていますか?運動の習慣の有無で違うかもしれません。意識しなくても呼吸器が働き、もたらしてくれる「呼吸」は、私達の身体にとって重要な役割をしています。

ところが最近、日本人の呼吸器が弱ってきていると言われています*1呼吸器が弱ることによってどんなことが身体で起きているのか、「呼吸」について見直していきましょう。

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呼吸器と姿勢の関係とは?

身体を構成している骨の数は約200個あります。その各部位が個別に動くのではなく、それぞれの部位が連動しています。肺は息を吸うとふくらみ、それに合わせて肋骨や背骨が動くことにより、胸郭(きょうかく)を広げていきます。

逆に、肋骨や背骨の動きが制限されると胸郭が広がらなくなります。例えば、長時間のパソコン作業で、前かがみな姿勢でいることや、いわゆる”猫背”になっている場合、スマホを操作している時にも姿勢が乱れがちです。このような姿勢の乱れも、呼吸器を弱らせる原因となります*2

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慢性疲労と呼吸器の密な関係

日常生活の中で呼吸器が弱っていると感じている人は、もしかすると少ないかもしれません。しかし、慢性的に疲労感が抜けないなどの症状はありませんか。これらは呼吸器が弱っていることによって引き起こされている可能性があるのです。

その原因として、以下のことが考えられます。姿勢の乱れにより前かがみの状態(胸郭が下がった状態)が続くと、胸椎の3、4番目(肩甲骨の間に位置する背骨)に硬直が起きやすくなります。胸椎の3、4番から肺と心臓の神経がそれぞれ出ているため、その影響により心肺機能が低下します。心機能が低下すると血液中に老廃物がたまり、腎臓へ負担がかかるようになります。そして、全身の血流低下や老廃物の排出が低下し、結果「慢性疲労」となるのです*3



慢性疲労を回復させる、呼吸器の緩め方とは?

硬直して弱った呼吸器を緩め、慢性疲労を回復させる方法をご紹介します。

◎自宅でできる方法(横になって行う方法)

  1.仰向けになって身体をまっすぐに伸ばします。

  2.腕をを伸ばしたまま、頭の上へ持っていきます。
     肋骨が持ち上がるような感覚があればOKです。

  3.腕を指先の方へ伸ばしながら、手を天井の方へ向けます。
     指先と足先が引っ張られているのをイメージしながら身体を伸ばします。

  4.肩甲骨の間を意識して、約10秒刺激していきます

 

◎オフィスできる方法(座ってできる方法)

  1.やや前かがみになって座る

  2.息を吸いながら肩を持ち上げて少し止める

  3.息を吐きながら肩を後ろへ持っていき、ゆっくりと下ろす。



まとめ

他にも、深い呼吸には副交感神経を優位にし、リラクゼーション作用だけでなく、多くの深部筋や骨がスムーズに動くようにすることをサポートします。それが内臓や神経を刺激し、体内のめぐりをよくする効果があります*4

ご紹介した方法は、新たに準備するものは何もありません。完璧にできなくともどれか一つ取り入れて、みてはいかがでしょうか?

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■参考文献

*1:井本邦昭.弱った体がよみがえる人体力学.高橋書店,2011,18p

*2:井本邦昭.弱った体がよみがえる人体力学.高橋書店,2011,18p

*3:井本邦昭.弱った体がよみがえる人体力学.高橋書店,2011,96-97p

*4:井本邦昭.弱った体がよみがえる人体力学.高橋書店,2011,18p

知らないと危険?! ワンちゃんネコちゃんが食べてはいけない物とその対処法

春ですね。歓送迎会やお花見で大忙しの季節がやってきました。飲みすぎで、次の日「気分が悪くて起きれない~!」なんて事はあるあるですよね。私はアルコールが体質に合わず、飲むと体調を崩してしまうので、飲むことができません。ワンちゃんネコちゃんにも「食べると体調を崩す食べ物」があるってご存知ですか?今日は危険とされる食べ物と、もし口にしてしまった時の対処方法をご紹介したいと思います。

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愛する家族の事・・・どれくらい知ってますか??

ワンちゃんネコちゃんは私たちに「具合が悪い」と自分の言葉で伝えることができません。けれど人が知識を身につけることで、その苦しみに早く気付いてあげることができます。いまやワンちゃんネコちゃんは家族の一員です。人と同じように家の中に住む事が一般的になり、人と一緒に朝目覚め、一緒にご飯を食べるなど、生活を共にするようになりました。ですが、人と同じ体の造りをしているわけではないのです。大切な家族だからこそ、人との違いを理解していくことが重要です。

 

知らなかった!うっかりあげてしまっていませんか?ワンちゃんネコちゃんに危険な食べ物

ワンちゃんネコちゃんに絶対食べさせてはいけないもの、それは【ネギ類】です。玉ねぎ、長ネギ種類は問わず、ネギは全般的に与えてはいけません。【ネギ類】のニラ、ニンニクも実はNGなのです。ネギを与えてはいけないという話はどこかで聞いたことがある…という方は多いと思います。しかしながら、ニンニク、ニラは意外と知らない方が多いのではないでしょうか。

「でもワンちゃんもネコちゃんも市販の専用フードを食べるんだから、ネギ類は口にしないのでは?」と疑問に思いませんか?しかし、近年では<大切な家族一員>となっているワンちゃんネコちゃんへ、手作りでご飯を作ってくれる飼い主さんも多いのです。特にプードル、チワワなどの小型犬の一部には、市販の専用フードをなかなか口にしてくれないなど、飼い主さんの頭を悩ますワンちゃんもいます。そんな飼い主さんが、ワンちゃんネコちゃんの為においしいご飯を手作りで、毎日作っている事も珍しくはありません。そして【ニンニク】は人にとっては食欲増進効果があるため、少しでも食べてもらいたい!という想いから使用してしまう、というケースがあります。

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もうひとつ考えられるのは、家の中で生活しているため、ワンちゃんネコちゃんが以前よりおねだり上手になっていることです。人の食べ物の味付けはワンちゃんネコちゃんにとって濃いため、一度でも口にしていると「人の食べ物はおいしい」と覚えます。すると、ごはんの時間になるとおねだりに来るようになります。(駄目だ、駄目だ、、)と思いながらも、ついつい食べていたハンバーグをあげてしまった、なんてことありませんか?その中には、高い確率で炒めた玉ねぎが入っているのではないでしょうか。

火が通っているから大丈夫?いえいえ、実はアウトなのです。ワンちゃんネコちゃんにダメージを与えるのはネギ類に含まれる≪アリルプロピルジスルフィド≫という成分です。実はこの成分は、熱を加えても壊れないのです*1人が摂取すると血液サラサラ効果などが期待されますが、ワンちゃんネコちゃんが摂取すると≪溶血性貧血≫を引き起こします。では、もしネギ類を口にして溶血性貧血を引き起こしてしまった場合、どのように対処したらいいのでしょうか?

早めの対処が鍵!食べてしまってもまず冷静に

■気がつかずに時間が経ってしまった場合

溶血性貧血の初期症状は

  • 元気がない
  • 食欲が減った
  • 散歩をいやがる

など分かりにくい事が多く、対処が遅れがちです。そういう時は排泄物を見てください。血便・血尿が出ていたら、すぐに獣医さんに行きましょう*2。そして口にしてから半日(12時間)ほど経たないと症状が現れない為、ネギを口にしたことと症状が結びつきづらい事も注意が必要です。

もし、いつもの獣医さんが休み!どうしよう!となった場合、落ち着いて[24時間対応の獣医]さんを探してください。最近では24時間対応の緊急センターも増えてきています。

 

■もし食べてすぐ気がついた場合

すぐに吐かせる事が出来るとベストでしょう。大量に水を飲ませると吐き出しやすいです。もし自分でどうやったらいいのか分からない!という場合は、すぐ獣医さんに行きましょう。いつもの獣医さんがお休みだった場合、24時間電話相談できるところや、24時間対応の獣医さんを受診してください。普段から緊急でかかれる獣医さんを調べておくと、いざという時に心強いです。重症化すると呼吸困難や痙攣が起こり、ひどい場合には心不全を起こすため、迅速に対処しましょう。

 

お互いを知ることが大切

いかがでしたか?人にとっては良い成分でも、ワンちゃんネコちゃんにとっては毒となることもあります。お互いをよく知り、よりよい暮らしにしていけたらいいですよね。大事な家族を守ってあげられるのは飼い主さんだけです。注意を払って見ていてあげましょう。ワンちゃんネコちゃんにも体格、体質に違いがあるため多少の症状の違いはありますが、安心して過ごせる毎日の参考となれば幸いです。



■参考文書

*1:J-STAGE”. 日本農芸化学会誌. 56 巻 (1982)2 号 .157p.https://doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.56.157

*2:大島誠之助、左向敏紀(2011). 禁忌食(その1)――タマネギなどのネギ属とイヌ・ネコの健康 ペット栄養学会誌, 14(2),103-104https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/14/2/14_2_103/_pdf

疲労回復を早める積極的休養のススメ

休養には2種類ある!

「休養」と聞くと「ゆっくり横になって寝る」という事をイメージされる方が多いかと思います。が、それだけではありません。「休養」には2種類があります。それが「消極的休養」と「積極的休養」です。

消極的休養とは、疲労回復を目的とした睡眠・入浴・マッサージなどのからだを休めることを示します。疲労をとるために普段から行っている方も多いでしょう。半身浴をしたり、自分のからだに合った寝具にするなどが挙げられますが、一つ気をつけなければならないことがあります。「消極的休養」を取る期間が長引いてしまうと、かえって疲労感が蓄積され、体のだるさが取れない、頭痛がするなどの不調をきたしてしまいます。

筆者も何度もしてしまった経験があります。休みの日に朝から夕方まで十二時間近く寝てしまい、いつもより長く休養を取ったはずなのに、翌日の調子が良くないという過ごし方です。「なぜたくさん寝たのに疲れがあるんだろう」と不思議でした。寝具が悪いのか、それとも食べたもののせいか、と考えていました。ですが、積極的休養を取り入れ始めてから身体もスッキリするようになりました。

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積極的休養とは

積極的休養とは、身体が疲れている時にあえて軽めの運動を行うことで全身の血行を促進し、疲労回復を早める手法の事です。筋肉疲労を回復するためには、酸素と栄養をたくさん送ることが重要。回復力が高いというのは、血液循環がよい(栄養と酸素が体の隅々まで送り込まれるスピードが早い)ということでもあるので、身体を動かして送り届けてやる必要があるということになります。例えば、ジョギングやストレッチなどがありますね。身体を動かす事で、精神的な疲労も回復させる効果も期待できます。

特に「積極的休養」は、スポーツ界では常識として取り入れられています。疲れているからこそ、あえて身体を動かし、疲労回復を促すのです。サッカー選手が試合の翌日にプールで軽く泳いだりし、体内の老廃物を押し流したりするのが代表的な例ですね。基本は、「軽い運動で血行を促進し、精神的にも身体的にも回復を早めていくこと」です。そのため、頑張りすぎてしまうのは、逆にNG。あくまでも休息として頑張りすぎずに軽く楽しい運動ががポイントとなります。

 

具体的にどんなことすればいいのか

大事なのは、軽い運動で気分転換と疲労回復を図ることです。先程、例としてジョギングを挙げました。ですが、あまり走る事が好きでない方もいらっしゃるでしょう。そんな方にも特におすすめなのはスイミングです。水中では、水圧によるマッサージ効果も期待できます。

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大事なのは、日常生活や仕事で本来のパフォーマンスを発揮できること。なので継続でき、かつ楽しめるものを選んでいきましょう。そのためには自分が無理せず楽しめるものがいいですね。社会人だと、いろんなスクールやサークルなどもあるかと思いますので、まずは楽しみながらいろいろやってみるのもいいかもしれませんね。「疲れを取る」というのは家でゆっくりすればいい休養になると思われがちですが、「積極的休養」を取った方が疲労回復のスピードが早まるということも多いです。

 

毎日を快適に過ごしていくためにいろいろ気をつけていくことがあります。手段の一つとして、皆さんの毎日の体調管理に役立てていただければと思います。

 

人間本来のデトックス機能を活かす3つの健康習慣

みなさん、デトックスとは何かご存知でしょうか。最近は世界のスーパーモデルも体型維持のためにやっているとのことで流行していますね。そもそも人間の体には自然にデトックス機能が備わっています。ここではその本来の人間の体のデトックス機能をよりよくするための簡単に自宅でできる方法をご紹介して行きます。 

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デトックスとそのメリット

デトックスとは、体内にたまった毒素を解毒して、便・尿や汗などとともに体の外に排出することです。毒素は体にとって有害とされる物質になります。排気ガスなどに含まれる金属物質や、食事で過剰摂取した脂質・糖質などが毒素に該当します。

毒素がうまく排出されないと、体に悪影響を及ぼしたり疲れが取れにくくなったり体のだるさや、肌荒れ・むくみの原因にもなったりします。デトックスは、美と健康を保つために大切な習慣なのです。基本的なデトックスで重要なのは「排便」「排尿」「発汗」の3つです。

 

物質の体内への吸収方法

そもそも、物質はどのように体内へ吸収(侵入)されるのでしょうか?体内への侵入経路は「口からの侵入」「皮膚や粘膜からの侵入」「空気からの侵入」の主に3つです。ここでは、とくに毒素物質について説明します。 

まず、「口からの侵入」についてですが、食べ物や医薬品などにも毒素となり得る物質が少なからず含まれていることがあります。
口から食べたものは、小腸から吸収されて、最初に肝臓に運ばれます。肝臓にある解毒酵素によって、ほとんどの毒素は分解・無毒化されるのですが、肝機能が低下している人や解毒酵素そのものが少ない人は毒素を解毒しきれずに、体内に溜まっていきます。また毒素物質の侵入が続くと、内臓に大きな負担がかかり、様々な疾患の原因となることもあります。

 次に「皮膚や粘膜からの侵入」についてですが、スキンケア用品や、湿布・鼻炎スプレーのような医薬品をイメージしていただくといいかもしれません。毒素物質の中には、皮膚や粘膜に付着し、そこから経皮吸収されて体内に侵入するものもあります。この場合、「口からの侵入」と違い、解毒機能のある肝臓を通らずに体全体に血液やリンパ液に流入します。その後、肝臓を通って分解・無毒化されます。

 「空気からの侵入」とは、主に肺からの侵入のことを指します。空気はPM2.5や花粉、光化学オキシダントなどの化学物質に汚染されていることがあるため呼吸と共に体内に侵入することがあります。食事などと異なり、呼吸は常時行なっているため、先の2つよりも侵入経路としては大きなものと考えられます。口や鼻から入った空気は肺に運ばれ、肺胞から肺静脈を通して心臓へ渡り、全身に運ばれます。解毒機能のある肝臓に運ばれる前に全身を巡るため、毒素物質もまた、体内を巡ることになります。

 

毒素の排出を助ける3つの習慣

1.白湯

白湯のような温かい飲み物は、体が温まるので胃腸が働きやすくなすことで代謝の手助けをし、食べたものの消化吸収を助ける働きや、腸に残ってしまった未消化物を掃除をし便秘改善にもいいとされています。

毒素が出やすい体を作るにはまず、体を温め消化力を高めることが大事です。目安としてはコップに3〜4杯程度を毎日飲むことをおすすめします。飲むタイミングは、体温の下がっている朝起きた時に2杯、寝る前に1〜2杯などがおすすめです。

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 2.プチ断食

デトックスに必要不可欠な臓器といえば、胃腸と肝臓です。これらの臓器が疲れていてはデトックス効果も半減してしまいます。たまには胃腸と肝臓を休ませてあげることをおすすめします。やり方としては、休みの日など1日断食し、水分はしっかり取ることをおすすめします。

 

 3.ウォーキング

適度な運動習慣をつけましょう。体を動かすと血液やリンパ液の流れが良くなるため、発汗により体内の毒素を排出しやすくなります。発汗を促すためにもウォーキングなどの有酸素運動を10〜30分は続けることをおすすめします。

 

終わりに

ネットや本・雑誌などで取り上げられるくらい、デトックスや健康方法はたくさんあります。その中で日常で簡単に取り入れることのできるものをあげてみました。1つでも実践・継続してみると普段と違った体感があるかもしれませんね。まずはできるところから実践していきましょう。

鼻炎・花粉症にお悩みの人へ、今すぐ試せる「鼻うがい」をやってみた

近年、花粉症や鼻炎持ちの人がずいぶん増えました。くしゃみが止まらずに、マスクが手放せない方も多いのではないでしょうか。この花粉症やアレルギー性鼻炎といったアレルギーに関する基本的な知識と、症状軽減のために手軽に取り入れられる工夫についてご紹介します。

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アレルギーとアレルゲン

まずアレルギーとは、アレルギーの原因物質であるアレルゲンに対して免疫機構が過敏に反応し、生体に対して全身的または局所的に過剰な障害(炎症、刺激など)が起こる状態を指します。また免疫とは、体を守るための防御反応のひとつです。大事な体の機能ですが、過敏に反応することでいろいろな症状が発現します。アレルゲンによって引き起こされる鼻水やくしゃみなどの症状を総称してアレルギー性鼻炎といい、花粉が原因で起こるアレルギー反応(鼻炎症状や目のかゆみなど)を花粉症と呼びます。

たくさんあるアレルゲンの中でも、花粉症や鼻炎のアレルゲンは、吸入(空中)アレルゲンに分類されます。東京都のアンケート調査*1でわかった住宅内のアレルゲンは以下の通りです

1.花粉:71.4%

2.ハウスダスト:37.9%

3.ダニ:15.2%

4.食物:11.8%

5.ペット:10.4%

6.カビ:7.3%

 

家庭でできるちょっとした花粉・鼻炎対策

アレルギーの原因の約7割がスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉です。まずはこれらのアレルゲンを室内に持ち込まないために、家の外で上着を脱ぎ、埃などを落として室内に入ることがよいでしょう。ハウスダストは布団やカーペットに潜んでいるので、布団はこまめに日干ししましょう。また特に床にカーペットなどを使用している方は、外してみるだけで埃の堪り具合が一目瞭然なので、フローリングで過ごすこともおすすめです。

なお食物については、鼻炎症状だけでなく、程度によっては生命の危機にもつながる重大なアレルギー症状を引き起こすこともあります。アレルギー症状がある人は、一度検査を受けてみることも有効でしょう。

ただしこうした対策を取っても、どうしても鼻炎症状が治まらない人もいるかと思います。かくいう私もアレルギー性鼻炎の持ち主であり、鼻水やムズムズが止まらない時にお勧めとの記事*2 を見て、鼻うがいを自ら試してみることにしました。

 

鼻がツンとしない鼻うがいを試してみた

アレルギー性鼻炎持ちにもかかわらず、耳鼻咽喉科を受診したことがない私は、鼻うがいは未知の世界です。本当にツンとしないのかと恐る恐る試してみました。

【鼻がツーンとしない鼻うがいのやり方】

①1リットルのぬるま湯に食塩9グラム(小さじ1.5杯)を入れて洗浄液(0.9%食塩水)をつくり、ドレッシングボトルに入れる

②下を向き、片方の鼻を押さえ、もう片方の鼻から洗浄液を入れる。「えー」と声を出しながら洗浄液を口から出す

③反対の鼻でも同じ事をする。これを3~5回繰り返した後に、鼻をかむ 

 

鼻がツンとしない鼻うがいのポイントは「体液と同じ洗浄液を作ること」とのこと。0.9%食塩水は体液の浸透圧に近く、鼻がツンとしにくくなるので、しっかり水と塩を計って0.9%食塩水を作ります。また人肌程度のぬるま湯という温度も、ツンとしないための大事なポイントです。

鼻うがいの最初の1回目は、入れた方の鼻から食塩水がそのまま漏れてくるのみでした。しかし、そうです!鼻の奥に水が入っているものの、ツンとしません。これならばできるかもしれないと3回4回と繰り返し入れてみて、ようやく少し口から食塩水が出てきました。どうやら鼻うがいに慣れるまで、何度も繰り返し試してみる必要がありそうです。私は上手に口から出しきれなかったのですが、それでも思っていた鼻のツンとした痛みを感じることもなく、鼻水が大量に出たおかげで、鼻の中はずいぶんすっきりした感覚になりました。

 

やってみてわかった、事前準備と注意点 

実際に試してみてわかったこともたくさんありました。鼻うがいを実践する前に準備しておくと良いポイントや注意点はこちら。

  • ドレッシングボトルを準備しておく(100円ショップで手に入ります)。
  • 水と塩はしっかり計量して食塩水を作成する。
  • 手元にティッシュを用意しておく。
  • 足元は濡れてもよいお風呂場で行うか、バスマットを敷いておく。
  • 洋服が濡れないように胸元にタオルを用意しておく。
  • 洗浄液は声を出しながら入れて、口から出すこと。

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0.9%の濃度にすることが鼻がツンとしないポイントなので、しっかり計量して食塩水を作りましょう。また鼻と口から食塩水が流れ出てくるので、顔がしっかり濡れますし、鼻水もしっかり出てきます。顔周りがすぐに拭えるようにしておくことと、周囲にも飛び散っても差し支えないようにあらかじめ準備しておきましょう。

水を飲み込んだり逆流することで、中耳炎を起こすこともあります。洗浄液を入れる際には、しっかり声を出すことも大事なポイントです。またどうしてもドレッシングボトルでのやり方になれない場合は、今は「鼻うがい器」が市販されているので、試されてみるのも一つかもしれません。

 

まとめ

辛い花粉症や鼻炎症状に対していろいろな対策がありますが、まずは自分自身のちょっとした行動や生活習慣で、症状が軽減できる工夫を取り入れてみましょう。また興味を持った方は一度鼻うがいも試してみてはいかがでしょうか。ただし症状がひどいときには無理をせず、耳鼻咽喉科などの医療機関を受診するようにしましょう。




■参考文献・参考URL

*1:東京都のアンケート調査:東京都保健福祉保健局 平成28年度アンケート調査

*2:北林晃治,"専門医に聞く!家庭でできる花粉症、鼻炎対策" 朝日新聞デジタル,2018/3/8, http://www.asahi.com/apital/articles/SDI201702229711.html

知りたい!ダイエットを続けるコツ

「痩せたい」を口癖にしていませんか?

一年の計は元旦にありとも言われ、きっと年早々にダイエットを今年の目標として掲げた人も多いのではないでしょうか。私の周囲にも「5キロ痩せる」とか「20代の体型を取り戻す」と目標を書いた友人がいます。誰もが今より痩せたい、ダイエットしたいと言いながらも、なかなか思うようにいかず、成功している人は少ないものです。

巷には毎月のようにダイエット特集が組まれ、たくさんのダイエット方法やエクササイズの情報はあふれているのに、なぜこんなにダイエットに成功しないのでしょうか。

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 「ダイエットしたい」でも続かない、その理由は?

ダイエットに挑戦した経験のあるひとの方が多いと思います。痩せたい気持ちはある。それなのになぜ続けられないのでしょうか。

《ダイエットが続かない理由》

  • なんとなく痩せたいというように目的があいまい
  • 短期間で痩せようとして余計にストレスに感じて長続きしない
  • 夜食や間食をしてしまう習慣がある
  • 極端な食事制限をしてしまい、苦に感じてしまう
  • 1人でチャレンジしている
  • おいしい食べ物など、目の前の誘惑に負けてしまう
  • 飽きやすい

 

【目標設定】がストレスを生んでいないか?

ダイエットを決意して始めにすることはどんな体型になりたいか、どこまで落としたいかを定めることです。具体的に目標を決めることで自分が日々何をしたらよいかイメージが付きやすく、継続のしやすさにつながります。目標設定は、SMARTを使って行うと良いと言われています。

《SMARTとは》
  • Specific(具体的):(例)5キロ痩せて、自信をもってビキニを着る
  • Measured(測定できる):(例)体重計で測れる、ビキニが着られる
  • Achievable(達成可能):(例)半年で60キロが55キロは頑張れば達成可能
  • Related(価値観に沿った):(例)この服を着たい!モテたい!自信をつけたい
  • Timed(期限が明確):(例)8月1日に達成する

このSMARTに沿って目標を立ててみて、目標と期限をより具体的にし、なりたい自分の未来像をワクワクできるものにしましょう。ダイエットの理由は、自分で作っていいのです。

ダイエットの目的の一つに「ビキニが着たい」があれば、着てみたいビキニの画像を手帳に挟んでみたり、もっといえば先に水着を買ってしまうのもよいでしょう。ある人は、友人から痩せたらこれを着ようと服をプレゼントされていました。人から贈られたものだと何としても痩せようという気持ちにさせられますね。また憧れの芸能人のボディースタイルを携帯の待ち受け画像にしてみて、いつも目につくようにしてみるといいかもしれません。なんとなく「ダイエットしようかな」とぼんやり思って始めるダイエットは、続かないものです。「結婚式までに3キロ痩せる」「痩せて告白をする」「リゾート旅行の予約を入れてみた」でもいいでしょう、ダイエットをする理由を自分で作ってしまいましょう。

 

【動機付け】モチベーションをうまく味方につけよう

いざダイエットを始めてみたものの、なかなかモチベーションが続かなくて……という声が多く聞かれます。このモチベーションと言われる動機付けには、【外発的動機付け】と【内発的動機付け】*1があります。

《外発的動機付け》

外発的動機付けとは、ご褒美を設定して行動することで、例えば「1週間ストレッチを頑張って継続したら、ご褒美にケーキを食べてもいい」といったものです。痩せるために、まず、自分の行動を習慣化することが必要となります。一時的なモチベーション維持には、外的動機付けは効果がありますが、その一方で「ちょっとくらい食べてもいいだろう」とか「ご褒美がなくても別にいい」といって、ダイエットを継続しなくなる可能性や、満足してやめてしまう恐れがあります。

《内発的動機付け》

内発的動機付けとは、「おもしろい!やってみたい!」といった好奇心であったり、「楽しい!ワクワクする!」という興味や満足感や達成感といった自分自身の心の中から湧き出てくる思いから、行動が引き起こされることです。この内発的動機づけによって起こった行動は、外発的動機づけによって起こった行動と比較して、質が高く、楽しさを持ち、そして長く持続すると言われています。では、どのようにしたら内発的動機付けを高められるのでしょうか。自分なりに考えて、いろいろと楽しめる工夫をしましょう。

  • 内発的動機付けを高める:自分が楽しむ
  • ダンスが好きならDVDを見て踊ってみる
  • 継続した数字を積み上げて達成感を上げる
  • 毎日体重を計測して、減っていく・痩せていくことに楽しみを持つ
  • 歩数計をつけてみて、数字を増やす楽しみを作る、友達と競う
  • ダイエットブログをつけてみる
  • 痩せたらやりたいことを100個くらい書き出してみる

こうなったら楽しいと思えることをイメージすることや、やっている行動に対して楽しいとかおもしろいといったプラスの感情が生まれる工夫が必要です。またモチベーションの維持には、小さなゴール設定がポイントです。大きな目標の達成のために、ある程度のマイルストーンを設けておきましょう。

 

【環境整備】周りの人たちを味方につけていますか?

実際にダイエットをするときに、足かせとなるのが周囲の誘惑です。街を歩けばたくさんの飲食店からいいにおいが立ち込めます。友人からは食事や飲み会のお誘いがかかることもあれば、職場での付き合いを断り切れない人もいるかもしれません。いかに自分だけでなく、周りの人の協力を得られるような環境を作るかがポイントになります。

あなたが本気でダイエットに挑戦中だと周囲に宣言したら、あなたを理解してくれる人であれば、無用なお菓子の差し入れをして誘惑することもしないでしょうし、自分にできることがあれば協力しようと思うでしょう。

また、筋トレに詳しい友人がいたら教えてもらうとか、ランニングなどで体を動かすのが好きな友人がいれば、一緒に走れるように依頼してみるのもよいでしょう。一緒に頑張る仲間がいると、サボりたくなったときに後押ししてくれるかもしれません。先にダイエットを頑張っている人の継続習慣に乗っかってしまうことも一つの手です。

 

【行動習慣】心理学を応用しよう

ダイエットの継続には考え方や意志の強さが多く関係しています。そこでちょっとした心理学を応用して、効果的な行動習慣を作る工夫をご紹介します。

目の前にあるケーキを食べることで得られるものは、満足感と満腹感です。だから人は目の前の誘惑に勝てずについつい食べてしまうわけで、だから甘いものはなかなか我慢できないと思ってしまいます。

では、その逆で、ケーキを食べることで「何かを得るの」ではなく、食べることを「痛みを伴うこと」に変えてしまうことで、上手に我慢できるようになれないでしょうか。ケーキやお菓子を食べたら、家族や友人に100円をあげることをルール(ペナルティ)にする。最初は、ついつい我慢しきれずに100円のペナルティを払っていても、そのうちに人から食べたことを何度も指摘されることが苦痛になってきたり、お財布を出し入れすることが面倒に感じるでしょう。支払うペナルティが減ってくることで「今回は我慢できた」という小さな達成感が自分の中に生まれるようになります。そうやって小さな成功体験を積み重ねていくことで、我慢をうまく継続できるような仕組みを自分で作ってしまうことです。  

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【まとめ】ダイエットを継続するコツ

これまで続かなかったダイエットが続けられるためには、どうしたらよいか。今までのまとめになります。

  1. 適切で具体的でポジティブな目標設定(SMART)
  2. 内発的動機付けを高めよう(好奇心や興味をもって楽しむ)
  3. ダイエットの味方を作ろう(友人や教わる人、トレーニング環境)
  4. 心理学を応用しよう(仕組化する)

毎日楽しみつつ効果的な運動や食事を継続できる工夫をして、自分の内面と向き合いながら、健康的なボディを手に入れましょう。

 

■参考文献

*1:[1] エドワード・L. デシ・リチャード フラスト.  人を伸ばす力―内発と自律のすすめ. 新潮社, 1999, 309p

風邪をひきにくくするためには?

体調管理には食事が大切

季節の変わり目は体調を崩す方が多くなってくる時期です。特に慌ただしく働いているビジネスパーソンの方は体調を崩せないかと思います。今回はいつでも万全の状態で仕事に臨める身体していくための情報をお伝えしていきます。

ここでキーポイントにするのは食事です。食べる内容にフォーカスしていきます。体調管理において、食事からどんな栄養素を摂取していくかが非常に重要なポイントになってきます。

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タンパク質が大切!

身体の機能や組織を維持していくために食事でまず大事になってくるのは、タンパク質の摂取です。タンパク質はカラダをつくる主な材料になります。例えば、皆さんがわかりやすいのは筋肉。筋肉は水分を除けば、そのほとんどがタンパク質で構成されています。そして、筋肉のみならず、皮膚や血管、内臓といった全ての体の主要パーツもそうです。さらに細かく見ていくと血液成分である赤血球・白血球や菌・ウイルスに対する免疫細胞も構成成分の大部分がタンパク質からできています。

人間には外部から身を守るための生体防御システムがあります。例えば、皆さんの身の周りにはたくさんの菌やウイルスが存在しています。日々生活している中で、それらに触れずに生活することはほぼ困難です。ですが、皆さんは毎日風邪を引いたり、体調が悪くなったりするわけではありません。それは、免疫システムがあなたの体を外部から守ってくれているからです。

免疫とは主に、皆さんも聞き覚えのある白血球がそれに当たります。具体的な生体防御の仕組みについては割愛しますが、タンパク質を適切に摂取し、体を守ってくれる守備隊である白血球をしっかり作ることが大切です。

免疫力を高めて風邪を予防するために、タンパク質は非常に重要な役割を果たします。身体が免疫細胞を作り出すにはタンパク質が必要ですが、免疫細胞の寿命は短く、使い捨てなのでどんどん補充が必要です。タンパク質を適切に摂取しないと免疫細胞の数が少なくなり、風邪の菌やウイルスに負けやすい体になってしまいます。例えば、朝食を抜く、毎食炭水化物ばかり、ダイエットのために極端な食事制限。なんてことをしていると非常に抵抗力の弱い体になるということですね。



タンパク質をどれくらい摂ったら良いの?

皆さんは1日にどれくらいのタンパク質を摂ると良いかご存知でしょうか?一般的には1日に体重1kgあたり、0.8〜1.0gのタンパク質摂取が必要だと言われています。

体は筋肉などのタンパク質を分解・合成を繰り返しながら維持されています。タンパク質は、体内で合成可能なアミノ酸と、体内で合成できない必須アミノ酸から生成されます。よって、1日のタンパク質摂取量が少ないと、自分の体の中にあるタンパク質を分解して必須アミノ酸を作り出し、それを消費して体を維持します。それが長く続くと筋肉がやせ細ってきてしまいます。

また、日々スポーツやお仕事でエネルギー消費が多い方は特に適切な摂取が必要です。筋肉作りには1.4〜1.8g/日のタンパク質摂取が必要だと言われています。アスリートの方、仕事での運動量が多い方、部活盛りの学生さんなどはより積極的なタンパク質摂取が必要です。

ここで注意の必要なことがあります。例えば、体重60kgの人が豚肉60gを1日に食べたからオッケー!という訳ではありません。豚肉を始め、食材の重さ=タンパク質ではないからです。食品成分データベース*1などを見れば、その食べ物にどれくらいのタンパク質が含まれているかがわかります。この数字に注意しながら1日のタンパク質摂取を心がけてみると良いかもしれません。

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具体的には何を食べたら良いの?

では、何を普段食べたら良いかということが気になるかと思います。そこで少し高タンパクな食材もご紹介します。

例えば肉類。肉はかなり良質なタンパク源です。牛・豚ひれ肉、鶏のささみなどは脂肪も少なく、タンパク質が豊富です。

次に魚類。皆さんご存知うなぎは高タンパクな食材です。他にも、サバ・アジ・イワシ・カツオ・マグロ赤身なども良いです。

あとは、鶏卵や納豆、豆腐などもタンパク質豊富な食材とされています。1日の食事の中でこれらを意識して食べてみてはいかがでしょうか?

 

 

終わりに

ある言葉に、『あなたは、あなたが食べた物』という言葉があります。自分という1つのカラダをより良質な食べ物でつくりあげる意識はこれからの激動の時代を乗り越えるのに必要なことです。もし今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

 

 

■参考文献

*1:食品成分データベース, https://fooddb.mext.go.jp/, 文部科学省